ウィリアムズ症候群の子どもの音楽に対する不思議な反応(アイオワ州において)



ホームページに掲載された手紙です。

(2000年7月)

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ダイアナ・バレッシュ、アシュレイの母(Diana Buresh, mother of Ashley)

私たち家族は、2000年6月10日にアイオワ州シーダー・ラピッズにあるクー大学(Coe College in Cedar Rapids, Iowa)でハワード・レンホフ(Howard Lenhoff)と娘のグロリア (Gloria)の講義と実演で構成された「音楽サバン、遺伝子と脳(Musical Savants, Genes and the Brain)」に参加しました。

この地域に住むウィリアムズ症候群の子どもの家族が2家族参加していました。 講義はすばらしく、グロリアの歌唱には感動しました。10才になる娘のアシュレイは ウィリアムズ症候群ですが、グロリアが歌っている間中いっしょに歌っていました。ウィ リアムズ症候群を持つ6才半のキャロル・マレリッヒ(Carol Malerich)は、他のウィリア ムズの子どもたちと同じように情緒的な歌を聴いて涙を流していました。この催しに参加 できたことをとても光栄に思っています。またアシュレイが歌を追い求めて行くべきだと いう思いを本人も私たち家族も強く感じました。

歌唱が終ったときにレンホフ親娘は、舞台に上がってグロリアと歌うように聴衆の中 にいるウィリアムズ症候群の人達を招きました。娘のアシュレイは最初に歌いたかったよ うですが、よい歌を思いつきませんでした。ハワードは「きらきら星」を歌うといったキ ャロルにマイクを渡しました。ウィリアムズの人たち全員がグロリアのアコーディオンに 合わせて歌い始めました。誰ひとり聴衆を前にあがることはなく、キャロルはマイクに向 かい、全員ほぼ完璧に歌いました。

歌い終わったのち、キャロルとジェシー・スターゼンバック(Jesse Sterzenbach)、23 才のウィリアムズ症候群の患者、はステージを降りました。娘はマイクを受取ると、これ からグロリアの歌を歌うとアナウンスを始めました。彼女は即興で作った歌を歌いました。 それは3楽節程の曲で、どれほどグロリアのことを思い、心配し、健康を願っているかと いう歌詞でした。歌い終わるとお辞儀をしてマイクをハワードに返しました。舞台を降り るとき聴衆は拍手喝采しました。私は涙が止まらず、感激しながら娘が舞台の階段を降り るのを手伝いました。娘が1人で曲を聞いたり歌を歌うことは知っていましたが、これほ ど完璧な即興曲を聴くのは初めてでした。

グロリアとその家族はウィリアムズ症候群の社会にとって特別であることをすべての 人に知ってもらうために、この話をウィリアムズ症候群のニュースレターに載せてくださ るように希望します。この出来事を通じて私たちの人生観が変わり、娘に対するいとおし さと思い出を得ることができました。

音楽という贈り物とウィリアムズ症候群の人を含めて我々全員に勇気を与えてくれた ことに対して、レンホフ家の人々に深謝します。



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