感性システムの構造化と音楽的対話における「知」の分析
研究実績報告
報告年度 2006
研究期間 2006-2007
研究課題番号 18530698
研究課題名 感性システムの構造化と音楽的対話における「知」の分析
研究代表者 根津 知佳子 (ネヅ チカコ) 三重大学・教育学部・助教授
研究代表者番号 40335112
研究機関 三重大学 研究機関番号:14101
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 教科教育学 研究分野コード:4003
キーワード 音楽的対話 / 感性システム / 知 / 場 / 芸術活動(芸術プログム) / 即興性 / 構造 / ウィリアムズ症候群
研究概要 平成18(2006)年度の研究業績を、当初の4つの計画・目的にそって報告する。
- 「知」を視座とした「芸術プログラム」の分析
大学院生と共同で実施したプログラムについて、実践場面にはどのような「知」が関わるかについて分析した。主としてエピソード記述を蓄積して実践を省察する方法を用いたが、一部、筆者らが独自に開発したパフォーマンス・アセスメント(PA)やルーブリック(評価基準)も遂行した。以上は、日本感性工学会、日本音楽療法学会における発表(4)、および日本音楽心理学音楽療法年報(1)、大学紀要(4)などに報告した。
- 日米の「芸術プログラム」の比較研究
平成18(2006)年7月に、本学において第5回芸術プログラム(ハッピウィリムン)を実施した。このプログラムにおける活動については、ブルーナー等の理論に基づいた"構造""枠"を援用している。実践は、日本感性工学会感性哲学部会における口頭発表(2)、日本音楽療法学会における招待講演などで報告し、省察した。また、平成18(2006)年7月には、クアラルンプールで開催された世界音楽教育学会において、各国のプログラム、プロジェクト推進者と意見交換をした。
また、同年8月には、ミシガン州で実施された芸術キャンプを視察し、日米のプログラムの相違について意見交換を行った。平成19(2007)年8月には、アメリカのスタッフや対象者を招聘し、シンポジウムを行う予定である。
- 個別事例の検討を通しての「感性システム」のフレーム化
工学モデルを援用したフレームワーク(COE(B),2006)を用いて、小学校中学年の理科と音楽の授業におけるミクロ分析を行った。また、緩和病棟における音楽療法については、セラピストとクライエントのダイナミクスの変容を包含したマクロ分析を行った。これらは、日本感性工学会感性哲学部会(査読論文)日本音楽心理学音楽療法年報(査読論文)、大学紀要(3)などに報告した。
- 様々なライフステージの「音楽的対話」の収集と分析
(1)から(3)で報告した事例は、就学前・児童期・思春期・青年期・成人期・老年期など様々なライフステージの対象者との実践におけるものである。
以上の研究を推進するにあたり、研究者自身だけではなく大学院生も実践や報告を目的とした出張を執行した。旅費・謝金は、当初の予算を超えたが、充分な成果をあげたものと考える。本研究のシステム及び、教育的意義については、京都大学高等教育開発推進センター紀要(査読論文)に報告した。
(2008年7月)
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