ウィリアムズ症候群患者は絶対音感を有しているか?



Do individuals with Williams syndrome possess absolute pitch?

Martinez-Castilla P, Sotillo M, Campos R.
a Department of Developmental and Educational Psychology , Universidad Nacional de Educacion a Distancia (UNED) , Madrid , Spain.
Child Neuropsychol. 2011 Dec 6. [Epub ahead of print]

正常に発達した人が絶対音感を有していることは稀であるが、ウィリアムズ症候群患者はこの音楽的才能を有しているとしばしば言われてきた。しかし、このテーマに関する研究は乏しい。本論文では、ウィリアムズ症候群の絶対音感について2つの研究を行った。研究1は、7名の音楽的訓練を受けたウィリアムズ症候群患者と14名の音楽的訓練を受けた正常に発達した同歴年齢の対照群と2名の経験を積んだぜったい音感を有する音楽家に対して、音程同定課題を実施した。この課題は代表的な絶対音感の評価法であるが、被験者に音楽的知識が必用であり、音楽的訓練を積んだウィリアムズ症候群患者にはなかなかコンタクトできない。研究2は、音楽的訓練を受けたことがない被験者の絶対音感を評価するのに適した規範を利用したことで、数多くのウィリアムズ症候群患者グループの評価が可能になった。個音に関する音程記憶課題を27名のウィリアムズ症候群患者と54人の歴年齢が一致する正常に発達した被験者と、2名の絶対音感を有する音楽家に提示した。ウィリアムズ症候群患者と対照群の両方とも2つの研究で低い値を示した。かれらの反応は任意のパターンを示しており、絶対音感を有する音楽家の成績とは比べ物にならない。これまでよく言われてきたこととは違い、ウィリアムズ症候群には顕著な絶対音感の能力はみられず、正常に発達した集団と同じようにこの音楽能力はウィリアムズ症候群患者においても稀である。

(2011年12月)



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