ウィリアムズ症候群と音楽:体系的統合レビュー
Williams Syndrome and Music: A Systematic Integrative Review.
Thakur D(1), Martens MA(2)(3), Smith DS(1), Roth E(4).
Author information:
(1)Department of Music Therapy, School of Music, Western Michigan University, Kalamazoo, MI, United States.
(2)Department of Behavioral Health, Child Development Center, Nationwide Children's Hospital, Columbus, OH, United States.
(3)Department of Pediatrics, College of Medicine, The Ohio State University Wexner Medical Center, Columbus, OH, United States.
(4)Brain Research and Interdisciplinary Neurosciences Laboratory, School of Music, Western Michigan University, Kalamazoo, MI, United States.
Front Psychol. 2018 Nov 14;9:2203. doi: 10.3389/fpsyg.2018.02203. eCollection 2018.
背景:
研究者や臨床家はウィリアムズ症候群患者と音楽の間の強い関係に言及することが多い。本レビューでは体系的にウィリアムズ症候群と音楽の関係に関する研究的発見について同定し、分析し、統合する。
手法:
この関係を調べた31件の論文を同定し、7つの分野に分類した。このプロセスは多様な方法論の集合を包含しており、目的としては、(1)現在の発見の報告、(2)方法論的同一性の検証、(3)この症候群の患者たちに対して音楽を臨床的に適用する潜在的な意義と考察を議論することを目的とする。
結果:
結果として、ウィリアムズ症候群の患者は音楽の技能と関与度合いに関するレベルは非常に変化に富んでいて、彼らの音楽的技能は歴年齢よりも認知能力との強い線関が見られる。この症候群患者の音楽に関する強みは、正式(formal)な音楽的技能というよりも音楽性(musicality)や表現性に強く依拠しているようにみえる。これは音楽に対する強く高められた興味、音楽活動に対する強い傾倒、音楽に対する高められた感情的応答性などを通じて表現される。ウィリアムズ症候群患者は、楽節の全体的構造を正確に識別したり再現したりすることよりも、大切に保存(conserve)しているようにみえる。この症候群の患者でしばしばみられる音楽に対する親和性は、非定型的な聴覚処理、自律的変則性、差動的神経性物学的性質にその根源がある可能性がある。
結論:
この音楽に対する親和性を臨床的、教育的介入にどのように組み込むと良いかを探索するには、さらなる研究が必要である。
(2018年12月)
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