(1997年8月)
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日時:1997年8月17日(日) 10:00〜19:00
場所:Massachusetts 州 Lenox 市 Belvoir Terrace
天気:晴れ・一時雨、蒸し暑い日でした。
訪問者:杉本 雅彦(文責)
Lenox について:
また、日本からの参加者の親で、名古屋で音楽を教えている人がいると聞きま
した。連絡先を聞いて話しをしてみましたが、すぐに日本版音楽キャンプが実現する
ことは難しいそうです。ただし、この参加者の女の子は、来年も通常の音楽キャンプ
に参加することを考えておられるようです。そのまま引き続きウイリアムス症候群の
音楽キャンプのボランティアとして残ってくれれば、日本からもウイリアムス症候群
の音楽キャンプに一人くらいなら参加する事が可能かもしれません。
Ms.Nancy Goldberg の母親は今も健在で、キャンプで皆を見守っています。昔、
彼女はニューヨークでダンサーをしていたそうで、その為に女の子の音楽・芸術教育
を始めたのではないかと思います。紫色がたいへん好きで、ベルボア・テラスの随所
に紫色が使われています。スタッフのTシャツも紫色ですし、このことを知っている
キャンプの参加者達も服にも紫色を取り入れています。(余談ですが、たまたま私が
借りたレンタカーも紫色で、大歓迎をされてしまいました。)
キャンプ終了後には、キャンプの参加者一人一人について、全トレーナからの
評価が送られてきます。このレポートに書かれた長所や提案にもとづいて、専門の音
楽教育をうけるようになった人もいるそうです。
このキャンプは、音楽を勉強する場所というより、才能を見つけだすことと、
同じウイリアムスの人々と出会っていっしょに過ごし、自立経験を積む、ことが最大
の目的のようでした。ウイリアムスの子供達・両親・スタッフがそれぞれ顔見知り(W
SAの会合などでも知り合ったようです)で、皆でいろいろ話していました。
キャンプの費用は、本人は $500、家族はベルボア・テラスに泊まる場合は、
$250 です。毎年8月の第3週に開催されます。
このベルボアテラスのキャンプを、8月以外にも開催するような計画もあるよ
うです。ただし、冬はかなり寒く雪も積もるので、窓の改修を含めて暖房設備を付け
る必要があり、すぐに通年開催を実現するのは難しいようです。
また、このキャンプはアメリカの東海岸で開催されるため、アメリカ中部や西
部の人達が参加するためには飛行機で移動せねばならず、費用が高くつきます。その
ため、テキサス州でも音楽キャンプを開催できるような計画が進んでいるようです。
(WSF が中心になり、テキサス大学 San Antonio キャンパス をその候補地にして
いるようです)。
1日あたり5クラス(午前3、午後2)あり、音楽、絵、ダンス、水泳、焼き
物等をグループ単位で受けます。夜は、キャンプファイア、ディスコ、発表会などい
ろいろなアトラクションが準備されています。活動は月曜日から始まるので、実際の
クラスの様子を見る事はできませんでした。
ウイリアムスの人4人(Gloria のように40才を超えた人もいます)に、カウ
ンセラー(通常のベルボア・テラスの音楽キャンプに参加したことがある女の子が中
心。日本で言ういわゆるボランティアのようなもの。ウイリアムス症候群音楽芸術キ
ャンプの直前8週間が、通常の音楽キャンプなので、それに参加したメンバーの一部
が残ってくれているようです)が2人つき、6人のグループを作って団体行動(同じ
部屋で寝起きを供にし、食事も同じテーブルで行います)を行ないます。食事のとき
は、グループ単位で配膳・かたずけを一緒にします。両親とは別行動のようでした。
イギリスから参加している子供の父親とも話しをしました。同じ英語圏なので、
長距離を移動することさえいとわなければ、キャンプ参加にまったく支障がないこと
をうらやましく感じました。
WSA,WSF のボードメンバー(役員)のキックオフミーティングにも、ちょっ
と参加させてもらいました。WSF は最近活動を再開したそうで、WSAと連携してい
きたいという話しがありました。私にも自己紹介をしろというので、日本にも「日本
ウイリアムス症候群の会」があって100家族程度が参加している事、4つの地域に
わかれて支部活動をしている事などを話しました(そのつもりですが、どの程度理解
してもらえたかは不明です)。また、いつの日か日本でも、このような音楽キャンプ
が開催できるようになりたいとも話しました。
WSA の活動についても、いろいろ聞いてきました。
Gloria は、アコーディオンの演奏と、「さくら」・「はな」=墨田川のうた等
を歌って聞かせてくれました。また、コンサルタントの女の子と、スペイン語(と思
う)でいろいろ会話をしていたようです。女の子も驚いていました。片言ですが、何
ヶ国語かを話せるようです。15+25のような計算が出来ない反面、語学に能力を発揮
する場面を目の当たりにしました。
小さな子供もいましたが、みんな自分のすべきことをわきまえて行動していま
す。よく言われるように、多動というような印象はまったくありませんでした。キャ
ンプに着くとすぐ、同じウイリアムスの友達や、キャンプのスタッフとお話しを始め
ていました。食事の時も、賑やかに話しをしていますが、きちんと座って食べていま
す。
全体的に脊の小さい人が多く、特に女性はほとんどの人が155センチ以下だ
ったと思います。ひとりだけ、かなり背が高い女性がいました。男性もその傾向があ
りますが、女性ほど顕著ではなかったように感じました。また、ウイリアムスの人達
は肥満傾向にあるという指摘もありましたが、このキャンプに参加している人達は、
どちらかといえば、やせ型の人がほとんどです。男性の中に2〜3人、ちょっと太め
かなと思う人もいましたが少数でした。なで肩で、首が長く見える人が目につきまし
た。
何人かと握手をしましたが、握る力が非常に弱かったのも印象に残っています。
アメリカの男性は結構力強く手を握ってきますので、わりと身体の大きな男性と握手
をしたときの「ふにゃ」っとした握り方にびっくりしました。
「Gloria は、ビデオ等に出て有名なので、このキャンプに来る人達は皆、Gloria
と知り合いだ(以前にあったことがあると)いうように錯覚していて、困る事が
ある。」、と Dr.Lenhoff が言っていました。