“モノづくり”と“コトづくり”の融合
――家族支援におけるミュージックキャンプ――



Integration of “Monodukuri (Value-added Manufacturing)” and “Kotodukuri (Value Creation)”

児童学科 根津 知佳子
三重大学教育学部 松本 金矢
日本女子大学紀要 家政学部 第70号(2023) ページ9〜18

筆者らは,2001 年以降,家族支援プログラムの一環として,モノづくり(楽器製作・スピーカー製作・舞台装置製作等)を行っている。実践で重視しているのは,単なるモノの製作に留まらず,家族や仲間と音楽文化(コト)を共有することである。製作物や活動内容は,参加者の成長やメディア(機器・配信システム等)の発達の影響を受けて変容している。しかし,通底しているのは,常に参加者全員が音楽的なパフォーマンスに参与していることである。本研究では,LP レコード鑑賞のためのスピーカー製作(2006),スマートフォン用スピーカー製作(2017),ブルートゥース対応スピーカー製作(2022)の 3 実践を Small, C.(1998)の musicking の概念を援用し分析した。その結果,LeBlanc, A.(1987)の階層モデルにおける「音楽」「環境」「メディア」の重要性を確認することができた。

キーワード:モノづくり,コトづくり,ミュージッキング,ウィリアムズ症候群

(2023年8月)



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