ウィリアムズ症候群
フリードマン 著/佐々木薫 訳
ドラミング−リズムで癒す心とからだ
単行本(音楽之友社、2003年3月)、151-152ページ
医学的・発達上の問題をひきおこす遺伝的障害であるウィリアムズ症候群の子供たちとのドラミングを、バリー・バーンスタインは次のように述べた。彼はドラミングがあらゆる面で有効な手段であることに魏が付いたという。
私はドラムが、子供たちの意思伝達と経験の扉を開けるための、またとない方法であることに気が付いた。ドラムは身体的活動を促し、大きな音を出し、楽しいアクティビティでもある。ドラムを使って、さまざまなニーズを満たすことができる。
ウィリアムズ症候群等のために筋力が低下し、ものを掴むのが難しい子供たちが対象の場合、私は直径55センチほどのギャザリングドラムを用意し、その上にボールや硬貨、猫の鳴き声が出るおもちゃ等をのせる。子供たちがドラムを叩くとそれらが上下に跳ね、ゲーム気分を演出するというわけだ。もしもたんにマレットだけを渡すだけだと、子供たちはすぐに飽きてしまう。ところがこうしたものをドラムにのせると、数分は続けてくれるのだ。子供たちにとっての目標は、何かを掴むことだが、ボールやドラムで楽しい刺激を与えてあげることによって、その目標が達成できる。
(2008年2月)
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