ウィリアムズ症候群のAさんに対する音楽療法



 ※この症例はウイリアムズノートに掲載するために再編集したものです。

コミュニケーションの改善を目指した即興演奏について

日本音楽療法学会認定音楽療法士 北澤寿美江

ウィリアムズ症候群の人たちには、コミュニケーションの面ではダイグンズとローズナー(Dykens and Rosner )が指摘しているように、社交性や感情移入能力は高い一方で社会的相互作用(情緒的コミュニケーションのやりとり)が苦手で人間関係を築くことに問題を抱えているという逆説的な組み合わせを示唆する複雑な様相があることがわかってきた。

筆者はウィリアムズ症候群のAさんのセッションを始めて18年が過ぎた。筆者はこの社会的相互作用の問題が音楽活動で改善できるかを考えた。そこで打楽器やピアノを用いた即興の活動をとり入れて、演奏を通して社会的相互作用を体験しコミュニケーションを改善することを目指した。高校卒業後、Aさんが生活訓練施設に入所したため一度中断した。この症例ではコミュニケーションの問題に焦点をあてた15〜18歳までの3年間と、その後21歳から再開した1年半の活動の中の即興演奏を通して行ったコミュニケーションの改善について報告する。

【 対象者および目標 】 【 経過 】 【結果】 【 考察 】 参考文献

Williams−Beuren Syndrome 「Research, Evaluation, and Treatment」
Edited by Collen A. Morris, M.D., Howard M. Lenhoff, Ph.D., and Paul P.Wang, M.D.
「コミュニケーションの心理学」吉田章宏・田中みどり編著 川島書店
「社会心理学を学ぶ人のために」間場寿一編 世界思想社
「アスペルガー症候群と学習障害」榊原洋一 講談社。

(2008年3月)



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