組織の仕事や組立作業などを障害者援護局(disability agencies)は娘に斡旋してきま したが、やはり自分で仕事を探そうと決心しました。これまでの仕事は特別な存在である 我々の子ども達には適していないと確信しています。援護局が好む次の斡旋先は食品サー ビス業です。

私は１年ほど前、モントーク メイナー ホテル（Montauk Manor Hotel)を訪れ小さな ギフトショップが閉鎖されていることに気が付いていました。経営者はだれも上手く店を 運営できないと言いました。そのホテルは１４５室のコンドミニアム形式のアパートから なり、その大部分はレンタルされています。およそ１５室は年間契約です。残りは休暇用 の滞在に使われています。私自身小売業界にいるので、これはジェシカに適しているので はないかと思いました。その店のテナント料はとても合理的でした。ホテルにいる従業員 や宿泊客や旅行者は皆気さくな人達でした。店は小さくて問題ない広さでした。チェック インカウンターから１０メートルと離れておらず、安全面は申し分ありません。妻や家族 と相談した結果、やってみることにしました。

私はジェシカの都合のいいように店を設計して改築しました。カウンターと棚は150cm しかない娘の身長に合わせて少し低くしました。17,000ドルをかけて店の改修と商品の調 達をしました。店は250平方フィート(およそ2平方メートル強)です。計算に関すること が最大の問題でした。ジェシカはお金や算数はまったくだめでした。私はコンピュータを 使った最新式のPOSシステムが役に立つと考えました。そして実際にうまく行きました。 ジェシカは正しく商品番号を打ち込み、機械が合計を計算してくれます。客が渡してくれ た金額を娘が打ち込むと、おつりがスクリーンに表示されます。倉庫から取り出された品 物は帳票に印刷されます。就職援助コーチが一ヶ月間つきっきりで訓練を行った結果、ジ ェシカはうまく商売を始め、クレジットカードの取り扱いや日々の売上集計を作成するこ とができるようになりました。驚いた事に、娘は私が持っている他の２店の従業員と同じ 位に正確でした。

商品をたたんだりつるしたり、あるいはお客と適切な会話をしたり、一人ですごした りということも難しいことでした。でもこれらも上手にこなせるようになりました。娘は 時分の鍵で店を開け、明かりをつけ、システムを作動させ、仕事を始めます。娘は失敗を するでしょうか？ 娘は天性の商売人なのです。娘の自負心は急激に高まり、今も前進し 向上を続けています。もちろん娘はホテルの従業員や居住者全員の名前を覚え、何人かと は片言のスペイン語で会話をしています。お客は娘が好きです。もちろん問題もあります が、大きな絵画の小さなしみのようなものです。そもそも、問題の起きない店なんてある のでしょうか？

今娘はそのホテルに自分の部屋を持とうとしています。通勤を簡単にするためです（娘 は通りを横切ったり曲がったりが難しいので、これは大切な事です）。娘にとっては次なる チャレンジですが、立派にやりとげてくれると信じています。 皆さんの多くが私達のすばらしい子ども達の将来を心配している事と思い、このお話 を書きました。さらに、私達の子どものために適切なチャンスを与えてくれるギフトショ ップを持ったホテルはたくさんあるに違いないと信じています。この店は安全で、管理さ れた環境の下にあります。この仕事は大金を得ようと考えている企業家には十分な規模で はありません。この仕事は我々にチャンスを与えてくれます。同じようなことを始めよう としている人をよろこんで援助します。電子メール（BCAUZZZ@AOL.COM）か電話（718- 225-4289)で連絡を下さい。

（１９９９年８月）