鹿児島県におけるウイリアムス症候群患者とその家族への支援について



松田 幸久、田中洋
医療法人栄和会泉川病因
鹿児島県児童総合相談センター
日本臨床遺伝学会第24回大会 抄録
臨床遺伝研究 Vol 22 No 1、 2001年3月 130ページ

Williams Syndrome(WS)は精神発達遅延、特異顔貌、大動脈弁上狭窄などを主徴とする症候群で、細胞遺伝学的診断法としてFISH法ができるようになり、かなりの確率で確定診断がつくようになった。我々は1997年11月、小児科医主導のもとに鹿児島県内に住む12のWS患者家族へ声かけし、はじめての会をもった。第1回は10家族と医師3名が集まり、顔見せと、WSについての勉強会を行った。第2回は、家族の他、保母、養護教諭、保健婦なども参加し、名簿つくりを行った。勉強会では、WSのホームページ、WSノート、エルフィン東京から送られてくるニュースレターなどを参考資料としている。

1999年2月、医師主導から親主導へとの声があがり、1)地域の人たちに、ウィリアムス症候群のことを理解してもらおう 2)どのこどもも、一人一人ちがうことを理解する 3)ウィリアムス症候群にこだわらず、こどもたち全般のことも考えるなどのことを話し合い、鹿児島ウィリアムスの会を発足した。現在、WSの家族は14家族、支援側は、遺伝専門医3名、小児循環器医2名、心理学者1名、養護教諭、保健婦、保母などである。医師から親へと会を引き継ぎ1年になるが、患者やその家族のための会であることを認識し、今後も支援していきたい。

(2006年4月)



目次に戻る