国境を超えた協力関係はさらに大きなサポートを皆にもたらす



2008年3月1日と2日の2日間、三重大学・順天堂大学小児科が主催して東京で 「Williams Syndromeが集う“音楽の森”」が開催されました。順天堂大学・こどもの城・FM東京を舞台に、アメリカのウィリアムズ症候群協会(Williams Syndrome Association:WSA)の事務局長であるTerry Monkaba(テリー・モンケイバ)さんと、息子さんでウィリアムズ症候群のドラマーBen君を迎えて、アメリカと日本の子ども達の交流を行いました。

帰国後、Terryさんがそのときの様子をWSAの会報に寄稿されました。

(2008年6月)

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Worldwide Collaboration Can Provide Greater Support for Everyone

Terry Monkaba
Executive Director of WSA
Heart to Heart, April 2008, Page 3 - 4

息子と私は東京(日本)で最近開催されたウィリアムズ症候群の子供を持つ家族の2つの集まりに招待され講演を行う栄誉を得ました。二人ともこれまでアジアに旅行したことがなかったので、それだけでもとても貴重な経験でした。東京に滞在した5日間を通して、親切で歓迎ムードにあふれた家族や専門家に囲まれて、異国にいるにもかかわらずとても居心地よく感じました。会合では通訳を介して話しましたが、講演を聴きにきてくれた家族の顔が笑顔になるのを見たとき、すぐに私たちは仲間だと感じることができました。

集まってくれた人たちは短い時間のなかでウィリアムズ症候群に関するあらゆることを一生懸命吸収しようとしていました。この人たちをアナハイム(訳注:今年7月にWSAの全米大会が開催される町)に招待できたらよいのにと思いました。ここアメリカでもハンディキャップを持つ人々が必要とする援助を手に入れることは簡単ではありませんが、日本では(そして他の多くの国々でも同様に)もっと困難であり、ハンディキャップを人々は文化的に社会から受け入れられておらず、つい最近までは社会から隔離されることが多かったようです。その結果として、私たちがアメリカ国内で受けているような医学的・教育的サポートの一部すら享受する機会はほとんどありませんでした。

わずか6年前、TBSのドキュメンタリー番組でウィリアムズ症候群の人々を取り上げましたが、その番組はすべてアメリカ国内で撮影されました。番組のプロデューサは東京にウィリアムズ症候群の家族がいることは知っていましたが、その家族にとって自分の子供がウィリアムズ症候群であることを表に出すことが難しいことも知っていました。アメリカではウィリアムズ症候群に関するテレビ番組の影響で新たな診断が増えましたが、日本でもTBSの番組はウィリアムズ症候群と診断される人の増加をもたらしました。違いは、診断を受けた人がサポートを受ける機会がほとんど無いことです。日本にも献身的な親たちが中心となったいくつかの小さなサポートグループがあって、状況を変えるべく少ないながらもできる限りのサポートを提供しています。彼らは、境遇をほんの少し変えるだけにも待ちきれないほど長い時間がかかることも知っています。しかし、私たちは援助できます。

ウィリアムズ症候群の人とその家族をサポートする全世界組織を設立すれば、住んでいる地域では容易にサポートを得られない日本やその他の国々の人々を援助することができます。全世界組織は文化的な障壁を飛び越えるような方法、すなわち「中立的」組織による援助という名目で必要とするサポートメニューと見てそれを手に入れられるようになります。ウィリアムズ症候群の人たちを援助するための組織を立ち上げて、日本や世界中の家族を助ける方法を見つけられると思うと、私はとてもわくわくしています。日本に滞在している間に、私たちのウィリアムズ症候群の子供は、障害を持つ人々、それも自分が属する地域社会だけではなく世界中どこでも、との間に存在するギャップを超える橋を架けて新しい絆をつくる能力があるとはっきりと感じました。特別な世界観や非常に優れたコミュニケーション能力があることで、彼らはこの種の努力をするための完璧な外交官になれるのです。WSAが計画している世界的協力関係を作り上げる戦略的な計画に彼らを加えようと思っています。

日本訪問に際し、私たちの渡航・滞在費用の面倒をみてくれて、日本の家族がウィリアムズ症候群について学ぶために最大限の努力を惜しまない三重大学教育大学の根津知佳子準教授、ウィリアムズ症候群の素敵な若者で、3月に学校を卒業して4月からはフルタイムの仕事に就くことを楽しみにしている紘輔君の父親である杉本雅彦さん、ウィリアムズ症候群で14歳のそのこさんの母親であるまついちさこさん、にとても感謝しています。ちさこさんとそのこさんはこの4年間WSA主催の音楽キャンプに参加しています。ちさこさんはTOKYO FM(エフエム東京)のプロデューサであり、娘さんの将来に特別の想いを抱いています。ちさこさんは私たちが東京にいる間に、エフエム東京のスタジオのなかでベンが日本のウィリアムズ症候群の子供たちと素晴らしい音楽体験を共有できる機会を提供してくれました。その模様はウィリアムズ症候群に関するFM番組で放送されました。根津準教授と杉本さんとちさこさんは日本におけるウィリアムズ症候群の人たちの将来を変えつつあります。ベンと私は彼らの努力の手伝いができることを光栄に思っています。そして彼らや損その他の世界中の国々の人たちと協力して全世界的な協力組織を作り上げたいと思っています。



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