ウィリアムズ症候群成人の身体および精神の健康
Physical and mental health of adults with Williams syndrome.
Stinton C, Elison S, Udwin O, Howlin P.
Institute of Psychiatry, King's College London, UK.
J Intellect Disabil Res. 2008 Oct;52(10):813.
背景:
ウィリアムズ症候群の患者は身体および精神の様々な健康問題を経験すると報告されている。しかし、これらの情報の大部分は子どもや青年期に関するものである。もっと年をとった成人に関するこれらの問題についてはほとんど知られていない。本研究の目的は、(1)広い年齢層のウィリアムズ症候群患者におけるこれらの問題を調査し、(2)その問題の長期的パターンを調べることである。
方法:
ウィリアムズ症候群成人と彼らの両親/保護者からなる2つのグループにインタビューを行い、身体および精神の様々な健康問題を聞き取った。研究1は92人のウィリアムズ症候群成人(19歳11ヶ月から55歳4ヶ月まで)からなる。研究2は47人のウィリアムズ症候群成人(25歳7ヶ月から49歳7ヶ月まで)で、10年前に実施したウィリアムズ症候群成人に関する研究(訳者注: 資料番号3-9-09 と思われる)の参加者からなる。
結果:
本件研究の結果、ウィリアムズ症候群成人の多く(75-81%)が、日常生活に影響を与える身体的健康問題を有していた。健康問題には心臓・腸・高血圧が含まれる(18%-33%)。食事・睡眠・トイレに関する問題も、被験者の7%-16%から報告があった。精神的健康も共通的にみられた(25%-33%)。心臓・腸・高血圧に関する問題を持つ人の数は長い時間とともに少し増加し、関節・ヘルニア・歯の問題は少し減少する。全般的に感情面や行動面の問題を持つ参加者の数は減少していた。特に、不安や強迫衝動を持つ人の割合は低下するは、うつ傾向や多動傾向の割合は増加する。
結論:
ウィリアムズ症候群成人は身体および精神の様々な健康問題を経験する。時間が経過しても身体的健康問題を持った人の全体数は高いまま推移するが、問題の内容の分布は変化する。感情面や行動面の問題を持つ患者の数は一般的に年齢とともに減少する
(2008年11月)
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