言語発達と進化の確実な候補はウィリアムズ症候群患者の血液中の有意な調節不全である
Robust Candidates for Language Development and Evolution Are Significantly Dysregulated in the Blood of People With Williams Syndrome.
Benitez-Burraco A(1), 木村 亮(2).
Author information:
(1)Department of Spanish, Linguistics, and Theory of Literature (Linguistics), Faculty of Philology, University of Seville, Seville, Spain.
(2) 京都大学大学院医学研究科 生体構造医学講座 形態形成機構学教室
Front Neurosci. 2019 Mar 26;13:258. doi: 10.3389/fnins.2019.00258. eCollection 2019.
ウィリアムズ症候群は認知障害と不均等な言語プロフィールを含む臨床疾患であり、この数十年に間集中的に調査が行おこなわれてきた対象である。ウィリアムズ症候群は7番染色体上にある2ダース程の遺伝子の半接合を原因とするが、この症候群の患者が呈する言語障害を説明できたり、有意に貢献する有意に寄与している遺伝子はまだ明らかになっていない。本論文では、マイクロアレイ分析で得られたウィリアムズ症候群患者の末梢血中の遺伝子の発現プロフィールを基にして、この種の言語障害や言語発達の確実ないくつかの候補を示す。これらはウィリアムズ症候群患者の血液中で上方制御あるいは下方制御されていた。これらの遺伝子の大部分は脳の中で言語発達を含む領野の発達や機能に関する役割を担っている。この領野はこの症候群の患者においては構造的かつ機能的な異常を呈する。総合的に考えて、これらの遺伝子はウィリアムズ症候群における言語の機能異常を司る確実な候補であることが判明した。
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この症例報告は、「統合ネットワーク分析の結果、ウィリアムズ症候群に関連する生物学的経路が明らかになった」の成果として発見、調査が行われたと思われる。
(2019年4月)
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