ウイリアムス症候群と幼児性痙攣を持つ患者の7番染色体長腕の間質の欠失



Interstitial deletion of chromosome 7q in a patient with Williams syndrome and infantile spasms.

Mizugishi K, 山中 恵子, 桑島 克子, 近藤 郁子
茨城県立こども福祉医療センター 小児科
(Department of Pediatrics, Ibaraki Handicapped Children's Hospital, Japan. )
J Hum Genet 1998;43(3):178-181

ウイリアムス症候群と幼児性痙攣( infantile spasms )を併せ持つ患者(4才の男の子) の7q11.23-q21.11領域にある間質の欠失が細胞遺伝学的手法によって確認された。この患 者は、エラスチン遺伝子(ELN)及びDNA多形マーカ(D7S1870, D7S2490, D7S2518, D7S2421) の欠失が確認されたが、D7S653 と D7S675 の遺伝子座は欠失に含まれていなかった。ザコ ウスキー( Zackowski )達の報告(1990)によれば、7q11.2-q22領域の中間質欠失が見つ かった患者16人のうちの6人は、脳波異常とてんかん発作のどちらか一方あるいは両方 が認められ、その6人の患者うちの2人には幼児性痙攣があった。ウイリアムス症候群の 発達障害は良く調査されており、特徴的な容貌と社交的な性格及び先天的心疾患を伴う。 一般的にてんかん発作はこの症候群の合併症ではない。ウイリアムス症候群はELN及び D7S1870遺伝子座の欠失が一般的な特徴であるが、D7S2490 や D7S2518, D7S2421等が欠失 することはない。このことから、幼児性痙攣の責任遺伝子は、D7S1870 と D7S675 両遺伝 子座間2.7cMの位置にある考えられる。

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出典が違いますが、資料番号 3−2−14と同じ著作者、同じ内容です。

(1998年10月)



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