ウィリアムズ症候群患者における心拍数の断片化の増加は非自律神経のメカニズムが突然死リスクに寄与していることを示唆している

Increased heart rate fragmentation in those with Williams-Beuren syndrome suggests nonautonomic mechanistic contributors to sudden death risk.

Cathey BM(1)(2), Bellach A(3), Troendle J(3), Smith K(4), Osgood S(5), Raja N(1), Kozel BA(2), Levin MD(2).
Author information:
(1)School of Engineering Medicine, Texas A&M University, Houston, Texas, United States.
(2)Translational Vascular Medicine Branch, National Heart, Lung, and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, United States.
(3)Office of Biostatistics Research, National Heart, Lung, and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, United States.
(4)Nursing Department, Clinical Center, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, United States.
(5)Office of the Clinical Director, National Heart, Lung, and Blood Institute, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, United States.
Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2024 Aug 1;327(2):H521-H532. doi: 10.1152/ajpheart.00601.2023. Epub 2024 Jun 21.

ウィリアムズ症候群は、7q11.23の染色体微小欠失によって引き起こされる稀な遺伝性疾患である。この疾患は、特異的な顔、知的発達症、大動脈弁上狭窄症(SVAS)を特徴とする多系統障害である。ウィリアムズ症候群の患者は突然死のリスクが高くなるが、その根底にあるメカニズムはまだ十分に理解されていない。我々は最近、ウィリアムズ症候群患者において、不整脈や心臓突然死に対する感受性の増加に関連する自律神経異常を示した。最近導入された「心拍断片化」(heart rate fragmentation)と呼ばれる心拍変動(heart rate variability)分析の方法は、心拍変動が高リスクの被験者を特定できなかった研究においても、有害な心血管イベント(cardiovascular events)および死亡と相関していた。心拍断片化は非自律神経心血管モジュレーターを定量化すると主張する人もいる。従って、我々は心拍断片化分析をウィリアムズ症候群コホートに適用して、1)ウィリアムズ症候群患者が健康な対照群と比較して心拍断片化に違いを示すかどうか、および2)心拍断片化がウィリアムズ症候群患者の心拍変動の異常を特徴付けるのに役立つかどうかを判断しようとした。冠動脈疾患やアテローム性動脈硬化症の患者を対象とした研究と同様に、ウィリアムズ症候群の患者では健康な対照群と比較して、心拍断片化が有意に高い(7つの指標のうち4つ)ことがわかった。多変量解析では、心拍断片化と心拍変動との間には弱から中程度の関連性が示され、心拍断片化は従来の心拍変動指標(自律神経マーカー)では十分に捉えられていない心拍変動特性を反映している可能性があることが示唆された。また、心拍断片化方法論に触発された新しい指標である、迷走神経の活動をより直接的に検出出来る有意な急性速度低下(significant acute rate drop)も紹介する。心拍断片化と有意な急性速度低下は、従来の心拍変動測定を改善して、ウィリアムズ症候群患者や他の集団の両方で心臓突然死のリスクが最も高い患者を特定できる可能性がある。

新規性と注目点：
（２０２５年１月）

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