つま先歩きとアキレス腱の手術



オーストラリアに住むウイリアムス症候群の女の子ゾーイの母親からいただいた電子メ ールの訳です。 「Zoe(ゾーイ)との人生」も参考に して下さい。

(1998年8月)

−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−

喜んでゾーイの手術についてお話しします。メーリングリスト上で皆さんに伝えてあ げて下さい。

ゾーイが大きくなるにつれて、いつもつま先立って歩くこと、それも悪化傾向にある ことがはっきりしてきました。8〜9才の頃だったと思いますが、つま先で歩くことが心 配になったので医者に相談してみようと考えました。彼女の靴のかかとはまったく擦り減 っていませんでした。ゾーイは長い距離を歩いた時等に足の痛みや疲れを訴えていました。

最初、理学療法士に相談したところ、アキレス腱を伸ばすことを目的としたストレッ チ体操を教えてくれました。6ヶ月間ほど続けましたが、つま先立って歩くことに関して 目に見えた改善はありませんでした。しばらくの間石膏のギブスで両足を固定する方法も 勧められましたが、この方法は一般的にはあまりうまくいきません。神経的な原因で腱や 筋肉が緊張している場合は特に効果が無いようです。

次に、整形外科医の意見を聞くために診察を受けました。緊張した腱を修復する目的 の外科手術を勧められました。手術と言っても、腱を完全に切り離してしまうわけではな く、腱を少し切って(あるいは小さな切れ込みを入れて)腱の緊張を和らげて少し伸ばす 方法を取ると説明してくれました。彼は、腱を完全に切り離してしまう手術はやり過ぎで 不必要に過激な手術だと警告してくれました。

ゾーイは患者として入院し、全身麻酔の下で一時間かけて手術が行われました。次の 日には退院して家に帰りました。

ゾーイの両足首の内側のアキレス腱に近い部分に3センチメートルくらいの傷痕があ りました。手術には「溶ける糸」が使われたので、抜糸の必要はありませんでした。約4 週間、膝から下を石膏のギブスで固定されていました。外科医は、回復するまでアキレス 腱を保護するためだと言いました。

ギブスが取れると、ゾーイは普通に歩けるようになり、以前と違って足の裏全体が床 につくようになりました。歩いても足が痛いとは言わなくなりましたし、靴底もつま先か らかかとまで均等に減るようになりました

ゾーイが手術を受けてよかったと感じています。手術は成功したし、つま先立って歩 く問題も解消しました。

日本の皆さんによろしく伝えて下さい。

イングリッド・シューベルト(Ingrid Schubert)



目次に戻る