非言語課題を用いたウィリアムズ症候群におけるこころの理論



Theory of Mind in Williams Syndrome Assessed Using a Nonverbal Task.

Porter MA, Coltheart M, Langdon R.
Macquarie Centre for Cognitive Science, Macquarie University, Sydney, NSW, 2109, Australia, mporter@maccs.mq.edu.au.
J Autism Dev Disord. 2007 Sep 14; [Epub ahead of print]

本研究はウィリアムズ症候群と歴年齢及び精神年齢を一致させた正常な対照群におけるこころの理論を、絵順序課題を用いて調査した。この課題は、社会的手続きに関する知識(social-script knowledge)・物理的な原因と結果の推測をコントロールしながら虚偽・意図・偽信念の理解を評価するものである。この課題を選んだ理由は、まったく言語を使わないからであり、ウィリアムズ症候群の被験者が課題を遂行する際に、自らの長所である言語能力を利用できなくなる。結果として、ウィリアムズ症候群のグループは偽信念の理解に特定の障害がみられた。さらにウィリアムズ症候群のグループには、ポーターとコルトハートが最初に指摘したウィリアムズ症候群内の特定のサブグループ((2005). ウィリアムズ症候群における認知の不均一性:Cognitive heterogeneity in Williams syndrome. Developmental Neuropsychology, 27(2), 275-306.)においてのみ偽信念に関する障害があるという不均一性を呈している。

(2007年9月)



目次に戻る