ウィリアムズ症候群における社会的認知:顔に対する同調
この論文全体を日本語で解説した資料がありました。下記ウェブページを参照してください。そこにも書いてありますが、この研究結果は、ウィリアムズ症候群の子どもはキャラ弁を認識できない可能性を示しています。他の研究でも、ウィリアムズ症候群の人は、部分を認識するけれども、その部分部分がまとまった全体を把握することは苦手だと言われています(資料4-1-17などを参照)が、そのことが関係しているかもしれません。
(2016年9月)
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Social Cognition in Williams Syndrome: Face Tuning.
Pavlova MA(1), Heiz J(2), Sokolov AN(3), Barisnikov K(2).
Author information:
(1)Cognitive and Social Neuroscience Unit, Department of Biomedical Magnetic Resonance, Medical School, Eberhard Karls University of T?bingen, T?bingen Germany.
(2)Child Clinical Neuropsychology Unit, Department of Psychology, University of Geneva, Geneva Switzerland.
(3)Department of Women's Health, Women's Health Research Institute, University Hospital, Eberhard Karls University of T?bingen, T?bingen Germany.
Front Psychol. 2016 Aug 2;7:1131. doi: 10.3389/fpsyg.2016.01131. eCollection 2016.
神経性疾患、神経発達疾患、精神神経疾患、精神身体障害の多くは、社会的相対者の視覚的社会的認知、ボディランゲージの読み取り、表情の読み取りに障害があることに特徴がある。一方で、数多くの研究の結果、ウィリアムズ症候群の患者は社会的刺激に関心があり、顔に魅了される傾向を顕著に示すことが明らかになっている。ウィリアムズ症候群の患者に対して、複数の食物を構成要素として顔に似せて作成した、様々なレベルの一連の顔-n-食物イメージ(Face-n-Food image:ジュゼッペ・アルチンボルドの作品に幾分か似ている)を見せた。このイメージが最も優れている点は、個々の構成要素が明示的に顔に限定される処理プロセスを誘発しないことである。一方で、顔認識の検査で良く使用される顔のイメージ(写真や描写)は、顔の存在を意識させる典型的な手がかりでしかない。自発的な認知課題においては、被験者は一連のイメージを顔に最も似ていないものから似ているほうに事前に決められた順番に見ることになる。ウィリアムズ症候群の被験者は顔-n-食物イメージを顔として認識することに明白な障害を示すことが際立っていた。定型的発達をした対照群は苦も無く顔と認識するイメージを、ウィリアムズ症候群被験者は顔に見えないと報告する。また。ウィリアムズ症候群被験者は顔に対する反応も全体的に弱かった。この結果は、ウィリアムズ症候群では顔に対する同調が非定型であることを示唆している。この結果は、ウィリアムズ症候群における全般的社会的認知パターンと顔処理の基礎をなす脳のメカニズムのもとで議論される。
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