ウィリアムズ症候群とダウン症候群における数学能力の発達の基礎
資料番号3-9-418「ウィリアムズ症候群の数学能力の発達:システマティック・レビュー」も参照してください。
(2020年4月)
−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−
The foundations of mathematical development in Williams syndrome and Down syndrome.
Van Herwegen J(1), Ranzato E(1), Karmiloff-Smith A, Simms V(2).
Author information:
(1)Department of Psychology, Kingston University London, Kingston-Upon-Thames, UK.
(2)Department of Psychology, Ulster University, Coleraine, UK.
J Appl Res Intellect Disabil. 2020 Apr 20. doi: 10.1111/jar.12730. [Epub ahead of print]
背景:
ウィリアムズ症候群とダウン症候群の研究は、数学能力は障害を受けていることを示唆している。しかし、これらの発達疾患においてどのような領域全般、あるいは領域固有の能力が数学能力の発達に与えているかは明らかではない。
手法:
本研究ではウィリアムズ症候群(n = 24)とダウン症候群(n = 26)の被験者における数学能力の発達の基礎を調べ、定型発達をした子ども(n = 26)と領域全般(例:全般的知能や視空間能力)や領域固有(例:非記号的及び記号的数値能力)に関して比較を行った。
結果:
発達軌跡によれば、数学能力はウィリアムズ症候群とダウン症候群では全般的精神年齢と一致するように遅れることが示された。一方で、視空間能力はダウン症候群と定型発達をした子どもにおいては先行指標となるが、ウィリアムズ症候群のグループでは当てはまらない。また、概数感覚能力は数学能力の発達を予報する。
結論:
これらの発見はウィリアムズ症候群やダウン症候群の子どもたちが異なる数学介入プログラムから恩恵を受ける可能性があることを示唆している。
目次に戻る