ウィリアムズ症候群表現型における積木模様能力:心的イメージの問題か?
資料番号3−9−60「ウィリアムズ症候群におけるブロックデザインの再分析」
とほぼ同じ内容です。
(2001年10月)
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Block design performance in the Williams syndrome phenotype: a problem with mental imagery?
Farran EK, Jarrold C, Gathercole SE.
Department of Experimental Psychology, University of Bristol, UK.
E.K.Farran@bristol.ac.uk
J Child Psychol Psychiatry 2001 Sep;42(6):719-28
ウィリアムズ症候群は稀少遺伝子病であり、独特な認知プロフィールなど様々な特徴があ
る。言語能力と比較して非言語能力は全般的に劣っているが、能力レベルの個人差も非常
に大きい。積木模様構築課題(block construction tasks)の成績はウィリアムズ症候群の
非言語能力の中でも最も低い部分である。本研究はウィリアムズ症候群患者21人と普通に
発達した対照群21人に対して、2種類の積木模様構築課題を実施した。これらは正方形課
題(The Squares tasks)で、2次元ブロックによる新しい構築課題である。分割と凝集認識
(perceptual cohesiveness)を用いたパターン操作によって一次要素である処理の選り好み
(部分か全体か)を調べ、傾斜パターンを用いて二次要素である心的イメージを利用する能
力を調べる。それぞれ、子供用埋め込み模様テスト(Children's Embedded Figures Test
(CEFT:Witkin, Oltman, Raskin, & Karp, 1971)と心的回転課題(mental rotation task)
を用いた。テストの結果、処理方法に関してウィリアムズ症候群のグループは対照群と違
いはなかった。しかし、心的イメージを利用する能力については、ウィリアムズ症候群の
グループは対照群に比べて有意に劣っていた。この結果は、ウィリアムズ症候群において
心的イメージを上手に利用できないことが積木模様構築課題の低い成績に関連しているこ
とを示唆している。
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