ウィリアムズ症候群の歩行機能に関する外的・内的手がかりの効果



「ウィリアムズ症候群成人における歩行機能」の後続研究と思われる。

(2010年2月)

−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−

Effects of external and internal cues on gait function in Williams syndrome.

Hocking DR, McGinley JL, Moss SA, Bradshaw JL, Rinehart NJ.
Centre for Developmental Psychiatry and Psychology, School of Psychology and Psychiatry, Monash University, Notting Hill, VIC, Australia; Bruce Lefroy Centre for Genetic Health Research, Murdoch Childrens Research Institute, Royal Children's Hospital, Parkville, VIC, Australia.
J Neurol Sci. 2010 Feb 4. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は、遺伝子に起因する希少神経発達障害であり、大脳基底核疾患−パーキンソン病(ganglia-parkinsonian deficit)とよく似た内的歩幅調節に関する歩行異常を特徴とする。現在行っているダウン症候群や神経学的に正常な対照群との比較研究は、視覚的手かがリあるいは注意(意図)に関する手がかりのどちらかを与えることでウィリアムズ症候群成人の歩行機能を改善できるかどうかを調べることを目的とする。歩行に関する時空間的特徴は歩行マシン(GAITRite walkway)を使って測定し、被験者は自分の好きな歩幅より20%長く設定された視覚的手がかりに沿って歩く条件(外的手がかり)か、視覚的手がかりという補助なしに歩幅を維持するという意図的戦略に従う条件(内的手がかり)の2種類の歩きかたで実験を行った。ウィリアムズ症候群とダウン症候群の両グループとも基準をクリアし正規化された歩幅を達成したが、正常な対照群と比べてウィリアムズ症候群のグループは外的手がかり条件において有意に歩行速度と歩調(cadence:一定時間内の歩数)が減少した。内的手がかり条件においてもウィリアムズ症候群グループは速度と歩幅時間に関して速度の減少と個人間のばらつきの増加がみられた。これらの知見はウィリアムズ症候群における一次障害が歩幅を調節できないことだけではなく、視覚運動領域での広範囲にわたる機能障害である可能性を示唆している。



目次に戻る