Williams症候群に憩室炎を発症した2例
山田 英樹、石原 聡一郎、赤羽根 拓弥、島田 竜、堀内 敦、渋谷 肇、中村 圭介、青柳 賀子、端山 軍、野澤 慶次郎、松田 圭二、渡邉 聡明
帝京大学医学部 外科
Progress of Digestive Endoscopy 75巻1号 91ページ
Williams症候群は第7染色体のエラスチン遺伝子欠損を原因とする比較的まれな疾患である。主な併発症として大動脈弁上狭窄症といった心奇形、精神発達遅滞、特異的身体的特徴などがあるが、結腸憩室症は比較的若年より認められると報告されている。今回我々は、Williams症候群の患者に憩室炎を発症した2例を経験したので文献的考察もふまえて報告する。対象は2例。43歳男性。腹痛にて発症。入院精査にてS状結腸憩室炎および腹腔内膿症と診断した。保存的治療にて症状軽快し、合併症なく退院となった。もう1例は71歳女性。腹痛にて発症。入院精査にてS状結腸に多発の憩室および高度狭窄を認めたため、結腸左半切除、横行結腸ストーマ造設術施行した。術後、合併症なく退院となった。手術標本の病理所見では膿瘍を伴ったS状結腸憩室炎との診断であった。
(ウィリアムズノート注:「比較的若年より認められる結腸憩室症」については、資料番号3-X-53 『ウィリアムズ症候群患者におけるS字結腸憩室炎:比較的若い成人のウィリアムズ症候群において罹患率と合併症発生率が高い』を参照)
(2010年8月)
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本件と同じ内容と思われる論文が下記に掲載されました。
(2011年6月)
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Two cases of diverticulitis in patients with Williams syndrome.
Yamada H, Ishihara S, Akahane T, Shimada R, Horiuchi A, Shibuya H, Aoyagi Y, Nakamura K, Iinuma H, Hayama T, Nozawa K, Matsuda K, Watanabe T.
Department of Surgery, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan.
Int Surg. 2011 Jan-Mar;96(1):64-8.
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