ウィリアムズ症候群に併発するセリアック病
資料番号3-2-39も参照してください。
(2001年11月)
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Coeliac disease in Williams syndrome.
Giannotti A, Tiberio G, Castro M, Virgilii F, Colistro F, Ferretti F, Digilio
MC, Gambarara M, Dallapiccola B.
Servizio di Genetica Medica, Ospedale Bambino Gesu, IRCCS, Piazza S Onofrio 4,
00165, Roma, Italy.
J Med Genet 2001 Nov;38(11):767-8
背景:
セリアック病はダウン症候群やターナー症候群などの染色体異常の患者の一部で併発す
ることが報告されている。セリアック病はウィリアムズ症候群の患者でも散発的に観察
されている。本研究は、ウィリアムズ症候群の患者群を継続的に検査し、ウィリアムズ
症候群患者におけるセリアック病の罹患率が平均より高いかどうかを調査する。
方法と結果:
63人のイタリア人ウィリアムズ症候群患者に対して、抗グリアジン抗体(AGA)IgAと
antiendomisium抗体(AEA)の抗体量を継続的に測定分析した。AGAとAEAが陽性の患者
からは少量の腸生検を実施した。ウィリアムズ症候群患者におけるセリアック病の罹患
率を17201人のイタリア人学生に関する文献から見積もった罹患率と比較した。7人のウ
ィリアムズ症候群患者がAGA IgAとAEA陽性を示した。そのうち6人に対して腸生検を
実施し、全員にセリアック病に一貫して見られる絨毛萎縮を認めた。ウィリアムズ症候
群患者のセリアック病罹患率は9.5%(6/63)であり、一方イタリア人学生のそれは
0.54%(1/184)であった(P<0.001)。
結論:
今回の結果から、ウィリアムズ症候群患者のセリアック病罹患率は一般の人に比べて高
く、ダウン症候群やターナー症候群で報告されている値に匹敵する。ウィリアムズ症候
群患者に対してはAGAとAEAのスクリーニング実施が望ましい。
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