ウィリアムズ症候群成人の健康と社会的成果:横断的および縦断的集団からの知見
資料番号:「ウィリアムズ症候群成人の身体および精神の健康」や「ウィリアムズ症候群成人の心の健康問題」の続報と思われます。
(2010年1月)
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Health and social outcomes in adults with Williams syndrome: Findings from cross-sectional and longitudinal cohorts.
Elison S, Stinton C, Howlin P.
Department of Community Health Sciences, St George's University of London, Cranmer Terrace, London SW17 0RE, UK; School of Social Work, Psychology & Public Health, Faculty of Health & Social Care, University of Salford, Salford, Greater Manchester, M6 6PU, UK.
Res Dev Disabil. 2010 Jan 21. [Epub ahead of print]
先行研究においてウィリアムズ症候群における認知・言語・適応機能の軌跡を調査してきたが、ウィリアムズ症候群のその他の行動表現型について生涯にわたってどのように変化するかはほとんどわかっていない。そのため、本研究はウィリアムズ症候群成人のさまざまな機能的側面の経年変化について調査する。身体的健康・教育と職業レベル・セルフケアと自立・社会的交流・行動的障害に関する半構造的面接と標準的評価をウィリアムズ症候群の成人および彼らの両親や保護者に対して実施した。遺伝子検査で確定診断されたウィリアムズ症候群患者92人(男性50人、女性42人)が横断的調査に参加(年齢範囲19歳−55歳、平均年齢32歳)し、43人(男性21人、女性22人)は、ウィリアムズ症候群成人に対する先行研究にも参加しており縦断的研究に含まれている。縦断的研究の対象集団は遺伝子検査で確定診断を受けていない患者も混じっている。遺伝子分析によれば調査した機能に関して年齢に依存する差はみられなかった。しかし、縦断的調査サンプルに身体的健康・セルフケア・職業的能力が顕著に改善したという報告が含まれていた。社会的技能と適応行動は徐々に進歩するのに対して、行動的障害は低減した。横断的調査および縦断的調査対象の両患者群において適応機能と知能指数の間に有意な相関がみられた。これらの知見は、ウィリアムズ症候群成人の社会的および適応的機能については少なくとも50-55歳までは加齢に伴って低下しないという事実と整合している。
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