ウィリアムズ症候群の患児の歯磨き動作の獲得
財原 直美、上田千香子、平尾 美貴、高橋 晃、田中 洋子、神農 祐子
国立病院機構鳥取医療センター看護部3病棟
鳥取臨床科学研究会誌 8(2),103-108ページ 2017
要旨
B病院には院内併設の訪問学級があり、A病棟からも8名の児童生徒が在籍している。看護部は、訪問学級教諭との連携の必要性を認識しながらも日々の業務に追われ、十分な連携が取れていないと感じていた。そこで定期的にカンファレンスの場を設け情報交換を行ったことでお互いの取り組みや問題点が明確になった。また、訪学級教諭と協働して歯みがき動作を“夏休みの宿題”という形をとってかかわった結果、確実ではないが歯磨き動作の獲得への足掛かりとなり、意欲の向上にもつながった。
略
W.まとめ
歯磨き動作獲得に向けた取り組みにおいて、訪問学級教諭との連携ポイントは以下の点であった。
- 患児の病状や障害に応じた学習環境の整備が学習効果を高めた。
- 医療、教育双方の視点から見ることで、患児に合わせた学習環境が明らかとなった。
- 患児の発達段階、病状、障害を踏まえた定期的な意見交換により、患者の個性に合わせたタイムリーな教育支援が可能となった。
- 医療と教育が連携し協働して継続的に取り組むことにより、発達を支援することに繋がった。
【編集者注】本論文の対象となっているウィリアムズ症候群患者に対して、以前に取り組んだ看護研究結果は資料番号4-1-24「ウィリアムズ症候群により発達遅延のある患児への関わり−日課表を取り入れた日常生活リズム確立への試み−」と推察される。
(2018年2月)
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