遺伝性疾患のある児童生徒の障害特性に関する担当教員の知識と理解
加藤 美朗
関西福祉科学大学教育学部
大橋 優
関西福祉科学大学社会福祉学研究科(研究時所属)
社会福祉法人大阪婦人ホーム子ロバキッズひろば(現所属)
嶋ア まゆみ
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
特殊教育学研究 61 (1), 1-11, 2023-05-31(一般社団法人 日本特殊教育学会)
本研究の目的は、特別支援学校218校の教員486名を対象に質問紙調査を行い、知的障害との関連性の高い遺伝性疾患6症候群の行動表現型に関する教員の知識や、各症候群が抱えている困難に関する理解、教員が必要とする情報について明らかにすることである。調査の結果、有効回答は269件(回答率55.3%)で、行動表現型の知識について、たとえばアンジェルマン症候群では質問項目すべてで「知っている」という回答の割合が8 割以上であったが、22q11.2欠失症候群では「知らない」という回答が約5割以上であった。次に各症候群が抱える困難について、たとえば行動面についてスミス・マゲニス症候群では「とてもある」という回答が9割以上であったが、ウィリアムズ症候群では4割弱であった。加えて、教員は指導方法や発達予後などについて知りたいと回答していた。本研究の結果、教員の各症候群の行動表現型に関する知識や必要とする情報が明らかとなった。
(2024年3月)
なお、本論文は、資料番号5-1-09「知的障害との関連性の高い遺伝性疾患のある児童生徒の在籍状況 ―特別支援学校を対象とした調査より―」と関連があると思われる。
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