ウィリアムズ症候群における絶対音感
資料No 6-1-14「ウィリアムズ症候群の人は絶対音感を持つ割合が高い」の基となっている論文です。
(2002年1月作成)(2002年3月修正)
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Absolute Pitch in Williams Syndrome
HOWARD M. LENHOFF 1), OLEGARIO PERALES 2) AND GREGORY HICKOK 2)
1) Department of Developmental and Cell Biology
2) Department of Cognitive Sciences
University of California, Irvine, CA 92697-2310, USA
Music Perception, 18[4]:491-503, 2001
絶対音感(Absolute pitch)は、一般人においては一万人に一人の割合で発生し、通常6歳以前に音楽のトレーニングを受けた人であると報告されている。我々がテストを行ったウィリアムズ症候群患者5人は、認知能力に障害があるにもかかわらずほぼ完全な絶対音感を持っていることを示す。ウィリアムズ症候群は7番染色体の片方のq11.23領域にあるおよそ20個の遺伝子の微小欠失を原因とする病気である。この症候群の人々が持つ相対音感や移調や記憶に関する予備的発見についても記述する。次の仮説に関して考察を行う。(a)ウィリアムズ症候群患者における絶対音感保有者の発生率は一般人に比べて高いこと、(b)正常な子どもが絶対音感を身に付けられる幼児期のある一定期間の長さがウィリアムズ症候群患者においては拡張されている可能性があること。
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