特例子会社で働く



息子は高等専修学校を卒業して2008年の4月に鉄道グループ会社の特例子会社に就職しました。「資料番号7-1-08 特例子会社に就職」を参照してください。働き始めて3年半が経過しましたが、今も働くのは楽しいと言いながら、毎朝嬉々として通勤しています。

働き始めて1年後の2009年の4月に正社員になりました。9時半から16時半までの実働6時間で週5日出勤することや時給社員であることなどの労働条件は変わりませんが、「1年契約」というような期間の定めがないことだけが違いです。時給は年々上がり今では840円になりました。仕事に慣れて評価が上がったから・・・ではなく、東京都の最低賃金に連動しています。一日6時間(一週間で30時間になります。障害者雇用促進法上、週30時間勤務しないと常時雇用労働者とみなされないようです)ですので、1日働いて5040円になります。給与支給額は1か月で10万円を少し超える程度ですが、働いた時間で給与が計算されるので、5月などのように休日が多い月は給料が減ります。また、有給休暇があるので、有給休暇で休んだ場合はその分の時給はもらえます。ちなみに、忌引きの休暇は無給でした。少しですが夏冬のボーナスも出ます。

厚生年金に加わっていること(給与から厚生年金保険料が引かれていること)は前回の資料で書きましたが、20歳になった月からは知的障害で2級の障害基礎年金(国民年金)をもらい始めました。障害基礎年金の申請は結構面倒でしたが、18歳の時点で行われる療育手帳の最終認定の時の判定資料が参考になります。この判定資料を手に入れるには情報開示請求をする必要がありましたが、療育手帳(東京都では「愛の手帳」)を持っていて良かったと感じました。今年は物価スライドのせいでしょうか、昨年より少し金額が減って年間788,900円(2か月に一度、偶数月に2か月分まとめて支給されます)です。3年後に障害レベルの再審査があるそうです。なお、障害基礎年金をもらっていると、ゆうちょ銀行の定期預金に金利上乗せ優遇処置があります(現時点では微々たるものですが)。

通勤先は2回変わり、今は勤め始めた時と同じ場所にバス通勤しています。以前の通勤先はバスと電車を乗り継いで通っていましたので、定期もバス用と電車用(PASOMO)の2枚必要でした。2度ほど定期を落としてしまい、PASOMOは戻ってきましたが、期間の途中だったバスの3か月定期は戻りませんでした。今は、家の鍵とともに定期をビニールのコードでかばんにくっつけています。

休みの日は、家にいるときはテレビゲームをしていることが多いですが、職場でできた友達とプロレスやプロ野球の試合を見に行ったり、兄とゲームセンターに行ったり、体重が増え気味なのでスポーツジムに通ったりもしています。会社が主催する花見やクリスマス会、障害者就労支援センター主催の食事会などにも参加するし、時には友達と飲み会にもでかけています。20歳になって以降は、誕生日などのイベントがあるときに家族でもときどき飲み会をします。息子はチューハイを少し飲む程度ですが、飲み会は楽しいようで、飲み会の噂を耳にすると、いつも「参加したい」と言います。

仕事を通じて成長したのでしょう、最近では一人で丸一日留守番もできるようになりました。朝は自分で冷凍食品を電子レンジで温めて食べでから鍵をかけて出勤し、夜は弁当を買って帰って食べ、風呂を沸かして入って一人で寝ます。自分で選んで着替えもしますが、暑さ寒さ対策はちょっと下手です。そででもずいぶんと楽になりました。

このまま、順調に仕事を続けてくれることを期待しています。

杉本雅彦

(2011年11月)



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