ウィリアムズ症候群に合併した円錐角膜:新たな症例報告
Keratoconus associated with Williams-Beuren syndrome: a new case report.
Mediero S(1), D'Anna Mardero O(1), Boto de Los Bueis A(1), Noval Martin S(1), Garcia-Minaur S(2).
Author information:
(1)Department of Ophthalmology, La Paz University Hospital, Madrid 28046, Spain.
(2)Department of Genetics, La Paz University Hospital, Madrid 28046, Spain.
Int J Ophthalmol. 2017 Apr 18;10(4):658-660. doi: 10.18240/ijo.2017.04.26. eCollection 2017.
ウィリアムズ症候群はゲノム的多系統疾患であり、発症率は1:7500から1:10,000[1]である。ウィリアムズ症候群は7q11.23領域[3]においてエラスチン遺伝子を含む26-28個の遺伝子が連続して欠失したことを原因とする。この疾患は孤発的遺伝様式[4]がもっとも多くみられ、典型的な症状には、異形顔貌特徴、知的障害、循環器疾患、乳児性高カルシウム血症、結合組織障害、特有な個性特徴[6]などがある。
ウィリアムズ症候群に併発すると記述されている眼科的特徴には眼の前部や後部に影響があり、虹彩角膜実質形成不全、虹彩の明確な星状パターン、斜視(通常は内斜視と遠視)、眼瞼下垂、先天性白内障、マーカス・ガン現象、立体視力の減少、網膜血管の蛇行[4]などが含まれる。例外的に視神経が本症候群の影響を受けており、 (眼の) 乳頭形成不全や陥凹の増加に苦しむ。
円錐角膜は両側性で非炎症性かつ角膜の変性軸性拡張症が通常であり角膜が薄くなることが進行[4]する。さらに次第に正乱視が悪化し、角膜の不透明度が高くなる。母集団における円錐角膜の発症頻度は住民10万人当たり8.8から54.4であが、ウィリアムズ症候群に合併することはまれである。事実、円錐角膜に関する本症例報告は、これまでウィリアムズ症候群に合併するという報告の4例目である。
参考文献のうち、ウィリアムズノートに収録されている資料
[1]3-X-33
[3]3-7-15
[4]3-7-14
[6]3-1-33
(2017年5月)
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