学習という天分
「夢の実現 第2分冊」からの抜粋



この両親向けのハンドブックはWSAのニュースレター "Heart to Heart" に掲載されてい ました。資料番号2-1-22、2-1-24、2-1-25の続編です。

(2001年3月)

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The Gift of Learning
An excerpt from Fulfilling Dreams ?Book II

By Barbara Scheiber
Co-authored by Nancy Grejtak, M.A.Special Education, Resource Specialist Teacher, Past President of the Williams Syndrome Association
"Heart to Heart" Volume 17 Number 4, December 2000, Page 6-15

学習は人生における大切な天分です。外の世界へのドアを開き、自分が持っている能 力を自覚させてくれます。勉強するにしたがって成長します。学習すればするほど、自分 の能力の限界に近づき、社会の一員としてよりよい貢献ができます。

そんなに遠い昔のことではなく、ほんの20年から30年前でも学習という概念は現在 に比べて狭いものでした。発達障害を持つ子どもたちは勉強などできないと広く信じられ ていて、彼らには教育を受ける権利がありませんでした。20世紀最後の四半世紀になって 概念が変わり、新しい権利と機会を障害児に与えるように法律が改定されました。現在の 障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act(IDEA))です。その後すばらしい 進展を経て、今では全員に「無料で適切な」教育を提供するまでに至りました。IDEAに定 められた規定によれば、、どのような障害を持つ子どもでも、その子の個別の要望に合った 学習を支援するように公立学校の授業を計画する義務があります。

ウィリアムズ症候群の子どもは認知され支援すべき内容もよく理解されているので、 教室でうまくいく子どもたちの数が増え続けています。しかし全員が同じ達成レベルに到 達できるわけではありません。子どもたちの精神能力は皆異なっています。しかし、どの 子も独自の好奇心と学習意欲を持ち合わせています。我が子の言葉に耳を傾け、どんな風 に自分の世界を探検し、どのように自分のことを語るかをよく見ていれば、彼らの渇望と 好奇心をくみ取ってそれを実現さることができます。彼らが最善をつくせるように力を発 揮できる方法を見つけられます。

この資料の中核は、心理学者・教育者などの専門家から得られた経験の集積と、細や かで献身的な両親の経験を融合させた情報から構成され、どのような能力レベルでも利用 できる学習方法が記載されています。この本で述べられている新しい智恵と知識に基いて 教えることで、私たちの子どもは学習という名の天分の恩恵を受けられます。

「学習プロフィール」を記述する

知能指数(IQ)による評価は不完全である

「長所を強調する」ことが好結果を生む

この章で取り上げる事項

お互いから学び合える

学習に関する共通的な長所の概要

どんな障害が学習を妨げるか?

効果的な教育戦略を見つけて利用する

読み方を学ぶ

音素と「総合言語」教育(“Whole Language” teaching)を結合させる

動機

理解

心象(visualization)を教える方法

算数

教え方

書く

作文の基礎を学ぶためのヒント

コンピュータ技術

社会的・行動的課題を取り扱う

違っていることを認めて誉めましょう。

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キャロライン・メルビス(Carolyn B. Mervis, Department of Psychological and Brain Science, University of Louisville, Louisville, Kentucky)とボニータ・クライン−タスマン (Bonita P Klein-Tasman, Department of Psychology, Emory University, Atlanta, Georgia)に協力をいただきました。 ウィリアムズ症候群の人が持つ認知・正確・行動面の 特徴については、次に掲げる彼らの論文で確認しました。「Williams Syndrome:Cognition, Personality, and Adaptive Behavior, [Mental Retardation And Developmental Disabilities Research Reviews 6:148-158(2000)]」。

洞察力と知識を頂いたキャロル・コンフォート(Carol Comfort, Director of the College Reading Skills Program/Faculty Association at California State Polytechnic University, Pomona、同時にウィリアムズ症候群の娘の母親)と、ウィリアムズ症候群の子どもたちの 教育に多大な貢献をしているカレン・リバイン(Karen Levine Ph.D., Co-Director of NEST(Neuroevaluation and Service Team), Williams Syndrome Program, Spaulding Hospital, Boston, Massachusetts)に特別に感謝します。ウィリアムズ症候群協会から発行 されたリバイン著の小冊子「教師への情報:Information for Teachers」から得た多くの情 報がこの章に掲載されています。



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